サステイナブル・デザイン委員会活動を開始(2003.7月〜11月)

2003-02

■第1回サステイナブル・デザイン委員会(2003.7.2)

第3回菜の花サミットの「菜の花プロジェクトは、ほんまに地域を元気にするんかいのぉ」を「環境の視点」と「経済の視点」から検証するという趣旨で、新旭町での菜の花プロジェクトの取り組みをケーススタディにした委員会を発足さました。委員会の名称は「サステイナブル・デザイン委員会」です。持続可能な地域社会をデザインしようという意味が込められています。

第1回サステイナブル・デザイン委員会は7月2日に新旭町にある高島地域地場産業振興センターで開催しました。

はじめに、委員長に和田武さん(立命館大学教授)、副委員長に海東英和さん(新旭町長)と藤井絢子さん(菜の花プロジェクトネットワーク会長)を選出し、この日は、藤井さんから「環境の視点から見た菜の花プロジェクトの成果と課題」が報告され、それに対しての意見交換を行いました。

■第2回サステイナブル・デザイン委員会(2003.9.11)

第2回サステイナブル・デザイン委員会は、新旭町長の海東英和さんから「新旭町の菜の花プロジェクトを経済的視点から見る」というテーマで、新旭町における取り組みを紹介しながら、地域経済における菜の花プロジェクトの成果と課題が報告され、それに対しての意見交換が行われました。

新旭町として「新旭町新エネビジョンの策定」「熱供給事業(林野庁の助成事業としての取り組み)」「太陽熱温水器の設置助成」「自然エネルギー学校の取り組み」「自然エネルギーを導入した幼児園の建設」「ナタネ栽培とその支援」「搾油とナタネ油利用」「廃食油回収とBDF利用」「地域通貨(アーロ)の利用」などの紹介がありました。

■第3回サステイナブル・デザイン委員会(2003.11.10)

第3回サステイナブル・デザイン委員会では、委員会の冒頭で、海東英和町長から「新旭町で菜の花プロジェクトをこんな風に展開したい」と題する問題提起を行ってもらい、それを踏まえて、問題提起に対しての意見交換を行いながら、発言をKJラベルに記録し、次回までにこれを整理することにしました。

■第4回サステイナブル・デザイン委員会(2004.1.26)

第4回サステイナブル・デザイン委員会では、前回の委員会で出された意見をKJ法で図解した結果を報告したあと、これを見ながら、さらに意見交換を行いました。

第3回委員会で出された約100項目の意見を小項目、中項目、大項目と整理し、大項目としてまとまったのは、次の6つでした。

1.「ゴミの山」を「宝の山」に変える道を探る
2.BDFを「当たり前のエネルギー」にしていく
3.地域全体が「農を支える仕組み」をつくる
4.行政分野を超えた連携を強化する
5.「新旭町ビジネスモデル」の創出に挑む
6.国を動かす説得力のある政策を提案する

「ゴミの山」を「宝の山」に変える道を探る
ここには二つの中項目があります。
「ゴミ問題に徹底して取り組む」
「町内の未利用な資源を見出し活用する」
ゴミ問題・不用品・未利用物処理という後始末型の課題を、逆転の発想で、暮らしを変えるきっかけにしていくべきだという前向きな提案です。

BDFを当たり前のエネルギーにしていく
ここには3つの中項目がありました。
「BDFを誰でも購入・利用できる方法をつくる」
「BDF燃料の積極的な利用を進める」
「BDF利用のレース展開」
BDFは認知度が徐々に出てきているものの、「化石代替燃料」としての一般的な認知度はまだまだであり、BDFそのものがもっと身近なエネルギーであることを一般に知ってもらい、使ってもらう機会をつくる必要があるという提案です。

地域全体が農を支える仕組みをつくる
ここには4つの中項目がありました。
「農業への意欲を支える仕組みづくり」
「新旭町内での徹底した地産地消に取り組む」
「ナタネ栽培を拡大する方途をさがす」
「搾油の体制を充実させる」
農業を地域で支えていく仕組みの必要性が幅広く出されています。

行政分野を超えた連携を強化する
ここには3つの項目がありました。
「学校を活用した菜の花プロジェクトの展開を」
「菜の花プロジェクトの展開をコミュニティづくりと連動させる」
「福祉との連動、連携をさらに進める」
菜の花プロジェクトを、教育、福祉などさまざまな分野との連携で進めるという提案で、このほかの分野ともどんな連携の可能性があるかを検討することでその可能性はさらに広がると思われます。

新旭町ビジネスモデルの創出に挑む
ここには2つの項目がありました。
「目に見える形で菜の花プロジェクトを発信する」
「菜の花プロジェクト・ビジネスモデルを支援する仕組みをつくる」
新旭町で取り組んでいることを外に発信するとともに、それをビジネスのタネにしていくという提案です。まさに「内発型産業振興」に取り組もうというものです。

国を動かす説得力のある政策を提案する
ここには4つの項目がありました。
「菜の花プロジェクトを支援する方策を国・自治体に要請する」
「ナタネ栽培をエネルギー政策の位置づける」
「菜の花プロジェクトの評価方法を検討する」
「エネルギーの自給率を上げる」
国や自治体に対しての制度要望の必要性が指摘されています。そのために、取り組むべき事項が多いことも多くの提案に示されています。

小項目の紹介は省略しますが、いずれも、これからの取り組みの方向として検討に値する内容であり、この6つの方策の具体化を検討することになりました。

■第5回サステイナブル・デザイン委員会(2004.3.2)

2003年度最後のSD委員会では、2004年度春に予定されている菜の花関連イベント(第3回九州菜の花サミットin宮崎、第1回菜の花学会・楽会in静岡県、第4回全国菜の花サミットin茨城)の報告、法政大学地域政策研究賞の受賞内定の報告があったあと、次のような議題についての意見交換を行いました。

1) 新旭町における「環境と経済の好循環の地域づくり」の考え方
2) 具体的な展開に向けての「作業部会」「100人委員会」の展望
3)2003年度のSD委員会の総括と2004度の活動について