45.みのかも菜の花の会

最終更新日 2010-2-26

住所 〒505-0022 岐阜県美濃加茂市川合町4-8-7(代表者)
〒505-8606 岐阜県美濃加茂市太田町3431-1(事務局)
(美濃加茂市環境経済部環境課 内)
〒505-0021 岐阜県美濃加茂市森山町3-9-33(広報担当)
TEL 0574-26-8385(代表者)
0574-25-1111(内線)304(事務局)
0574-25-2193(広報担当)
FAX 0574-24-0290(事務局)
0754-25-2193(広報担当)
URL
E-mail
担当者 安藤志郎(代表者) ・ 渡辺寿一(広報担当)
機関紙 なし
会員数 8名

活動の課題

菜の花プロジェクトは、栽培からはじまる菜の花の一生のうちの、次の3点を市民に提示し、資源・エネルギーの循環、地球環境、ゴミ、農業と環境等の問題について提案する運動です。

1.耕田を利用して、菜の花を栽培し、農業の振興と美しい景観を創り出し観光の振興をはかる。
⇒美しい田園をつくる。
農業が環境に与える影響、農業を取り巻く問題を身近なものにする。

2.休耕田を利用して栽培した菜の花から生まれる食用油は学校給食で利用する。
その廃食油は、各家庭の廃食油とともに回収し、軽油代替燃料(BDF)にする。
⇒菜の花栽培が産業として成り立つのか検証する。
資源、エネルギー循環が一地域のみで完結することを市民に見せる。
また、市民がその循環の過程に容易にかかわることができる。

3.軽油代替燃料(BDF)を使用したディーゼルエンジン車で、廃食油を回収する。
⇒軽油代替燃料(BDF)を使用したディーゼルエンジン車は黒煙(PM)、硫黄酸化物(SOX)が減少し、大気中に排出されるCO2は菜の花を栽培することで吸収されるので、大気汚染、地球温暖化を防止しすることおよび軽油代替燃料(BDF)は再生可能な資源で、化石燃料のように枯渇しないことを市民にPRする。
ミクロ(家庭)とマクロ(地球)の両方のつながりが実感できる。
以上の趣旨を掲げて現在のところ、以下の6項目をおこなっている。

1)廃食油の回収

◆回収方法と回数

  • リサイクルステーションでの回収 美濃加茂生活学校と共同で毎月第1日曜日に回収
    ・・・・・所定容器に廃食油を移し替えて回収
  • 市内1商業施設での回収 営業時間内常設し、定期的にBDF車で会員が回収
    ・・・・・所定回収BOXに廃食油を入れたペットボトル等ごと回収

WS500055商業施設での回収

  • 市内の環境ボランティアが開設した「きらきらエコハウス-資源回収センター」で毎週水曜日に回収
    ・・・・・所定容器に廃食油を移し替えて回収
  • 市内の一自治会が地元公民館で毎月第2・4日曜日に回収
    ・・・・・所定容器に廃食油を移し替えて回収
  • 学校給食センターで発生する廃食油を回収
    ・・・・・ドラム缶に回収

    • 平成20年度(2008/4~2009/3)の実績は11,134リットルであった。
    • 平成21年度(2009/4~2009/9)の実績は7,760リットルであった。

2)BDF車の運行

  • BDFを燃料とする美濃加茂市の公用車(2トンダンプ車)を2台使用し、廃食油の回収および市内各施設で回収している資源ゴミ、蛍光灯、乾電池等の回収(美濃加茂市)をおこなっている。

WS500056BDF車(公用車)

  • 現在、BDF精製設備を持っていないので、業者に対して回収した廃食油の無償提供を行い、BDFの購入をおこなっている。
    • 平成20年度の実績の走行距離は、2台の合計22,199kmで、購入したBDFは 2,090リットルであった。
    • 平成21年度(2009/4~9)の実績の走行距離は、2台の合計12,440kmで、購入したBDFは 1,330リットルであった。

3)菜の花の栽培

  • 平成15年より同じ耕作地で栽培しているためか、毎年ナタネの収量が減少している。
  • 平成20年より耕作地を変更したが、収量は皆無であった。
    その理由はよくわからないが、ポット苗に使用した培養土の水もちがよすぎて湿害にあったことと、定植時の鳥害などが考えられる。
  • 平成21年は、同じ耕作地で再挑戦をしているが、12月1日現在順調である。

WS500057平成21年4月20日のなさけない菜の花の状態

4)菜の花(ナタネ)の収穫⇒搾油⇒学校給食での使用

  • 菜の花の栽培で収穫できたナタネは、業者に委託して搾油している。
  • ナタネの収量が減少した結果、学校給食に使用するだけのナタネ油が確保できず、学校給食での使用を中止している。

5)ひまわりの栽培

  • 休耕田の菜の花の後作物として、また、資源・エネルギーの循環が、菜の花によるだけで なく、多様であることを示すために、ひまわりの栽培をおこなっている。
    • 平成15年より、ナタネ栽培と同じ耕作地でひまわりを栽培しているのでだんだん花が小さくなり、花の数が少なくなってきた。
    • 平成20年より、別の耕作地数箇所で栽培している。
    • 搾油機械がないこと、および近隣にひまわりの搾油をする作業所がないため、搾油はしていない。

6)菜の花プロジェクト(資源・エネルギーの循環型社会)のPR活動/イベント

  • 平成15年・16年度におこなった中学校、高等学校、市民環境大学講座で「菜の花プロジェクト」についての講演や、「菜の花の種蒔き」、「菜の花の植え付け」、「菜の花の刈り取り」、「菜の花の収穫」、「唐箕体験」、「搾油イベント」、「ソーラクッカーをつくろう」、「ひまわりまつり」、「ナタネ油でディーゼルエンジンを動かそう」等のイベントは、「ひまわりまつり」以外は、資金不足等で実施できなくなった。
  • 「ひまわりまつり」は、「菜の花プロジェクト」で毎年栽培しているひまわりを写生するイベントで、毎年保育園、幼稚園、小学校の園児、児童と一般の市民を巻き込んで盛況である。美濃加茂市長賞は市長自らが選び、表彰している。

WS500083

  • 「産業祭」、「環境フェア」などでパネル展示、ナタネの配布、ポット苗つくりなどをし、啓発活動を続けている。

WS500082平成21年度産業祭

  • 平成19年・20年に岐阜県の総合教育センターの「エネルギーを考える~バイオ燃料~」の講義のなかで、県内の先生がたに「菜の花プロジェクト」について講演をおこなっている。

WS500084講演の様子(左端が筆者-渡辺です)

今後の方向

  • 廃食油のアンケート調査をした結果、市内の年間廃食油量は一世帯約7.28リットル/年であることが推定された。
    したがって、現在約4%(平成20年度)である回収率の目標を5%に設定し、回収方法、回収拠点の増設をおこなう。
    同時にエコクッキングをすすめ廃食油の量の減少をはたらきかける。
  • 廃食油の回収や、ナタネ・ひまわりの栽培活動から、年を取った少ない会員でもおこなえる各種イベントなど、啓発事業に活動をシフトすることを考慮している。
  • 学校給食センター内のみで、地元産のナタネ油の使用、廃食油の回収、BDFの製造、BDFの使用の循環の一部を実施するよう行政に働きかける。
  • 廃食油の回収量に対して、BDFの使用量(資源の回帰率)が、約35%(平成20年度)であるので、100%に引き上げるよう、BDFの利用方法等を模索したい。
  • その一例として、現在、美濃加茂市のゴミ収集は、業者に委託されているが、委託事業の契約事項にゴミ収集車にBDF燃料を使うことを記載するよう行政に働きかける。
  • 菜の花栽培が産業として成り立つように、その手始めに学校給食に食用油を供給することを行政、農協、農業従事者に働きかける。
    同時に、専用の農作業機械がなくても片手間でもおこなえる「なたね一戸一a運動」/「ひまわり一戸一a運動」を計画中である。
  • 「菜の花プロジェクト」の環を市民が目に見えることが必要であり、目に見えることにより、より関心を保持できると思うので、「BDF精製装置」、「小型搾油機」の導入を行政にはたらきかける。

活動の課題

  • 現在では、廃食油の回収と菜の花の栽培が主な活動であり、活動に華やかさがないことや、菜の花の栽培等は自然相手であり平日の活動が多くなる等の理由からか会員が増えない。
  • したがって、市民からの要望が多い廃食油の商業施設での回収。および回収拠点の増設等に答えられない。
    また会員による菜の花やひまわりの栽培面積が増やせない。
    会員が増加する方法と、少ない会員で確実に成果を上げる方法を探らなければならない。
  • 行政の特に資金面での支援がないため、恒久的な活動が資金面から制限される。
    NPO法人にして資金の充実を図れとの意見もあるが、それで解消するとは思われない。
  • BDFがディーゼル燃料として認知されることも重要であるが、菜の花の栽培が農業として成り立たなければ、「菜の花プロジェクト」は夢物語ではないかと思う。
    農業の基本的政策は国民の合意と支持がなければならないが、「菜の花プロジェクト」をその面から語る必要があるように思う。
  • 農協、農業従事者と話し合うと、菜の花の栽培の経済的成果を求められることがあり、 そのことを実感する。
    しかし、菜の花の栽培の経済的成果を示すことや、農業の基本的政策を変えることは、小さな一つの任意のボランティア団体にそれは難しいことである。