最終更新日 2005-03-25
住所 | 〒761-4661 香川県小豆郡土庄町豊島家浦3841-21(豊島交流センター) |
TEL | 0879-68-2150 |
FAX | 0879-61-4007 |
URL | http://www.teshima.ne.jp |
担当者 | 平井由基(豊島交流センター/窓口) |
機関紙 | |
会員数 |
活動の概要
■「豊島 菜の花バスプロジェクト」…始まりは住民意識調査
- 「豊島 菜の花バスプロジェクト」…始まりは住民意識調査
2002年春,豊島の島づくり委員会は,島民18歳以上を対象に住民意識調査を実施し た。
島民が島内で感じている課題を明確にし,ひとつひとつ課題を克服していくプ ロジェクト・ワークショップを起こし,島を元気にしていくためである。
その住民意識調査で挙がったおもな課題は2つある。
1.島の医療・福祉(救急医療体制)
2.島内/島外交通(公共交通機関/海上交通)である。
島づくり委員会では、当面取り組む課題に・島内交通を選択し,「豊島 菜の花バスプロジェクト」を立ち上げた。
■公共交通機関のない豊島
- 豊島には公共交通機関がない。
小学校のスクールバス,福祉バス(70歳以上の利用が可能)が島内を走っている。
島内の移動は,ほとんどの場合は自家用車である。
しかし,車を運転しない人,できないお年寄りにとっての公共交通機関がない。
お年寄りにとって島内の医院,公民館などの島内移動,島外への通院などの港への移 動は困難を極める。
また,島外者の移動手段もない状況である。
■「菜の花でバスが走ると楽しいね!」
- このプロジェクトを考え始めたとき,「公共交通機関をつくるならば,何か新しく 楽しい取り組みにしたいね!」と島づくり委員会事務局メンバーで話し合ってい た。
以前から滋賀県の廃食油燃料BDFの取り組みのことを知識として得ていたことか ら,「てんぷら油でバスを走らせよう!」ということになった。高齢化の進んだ島 である。
島には休耕地、遊休地が目立つ。「ついでに休耕地を耕して菜種をまこう!」休耕地をなんとかしたい、という島民の声も多かったのである。
「将来は特産品にしたいね!」「仕事起こしにつながれば良いね!」夢は広がるばかりである。
「菜の花でバスが走ると楽しいね!」私たちは、島内においてこんな呼びかけ でこのプロジェクトをはじめた。
■「豊島 菜の花バスプロジェクト」第1回~第5回検討会
- 「豊島に公共交通機関をつくることは可能か」関係する機関,団体に呼びかけて検討会を行った。
<参加団体:香川県・土庄町・小豆島バス(株)・小豆島フェリー(株)・豊島自治連合会・豊島は私たちの問題ネットワーク・メッツ研究所・島づくり委員会(島内福祉施設/婦人会)・島づくり委員会事務局> - 検討会毎に豊島に公共交通機関をつくるための課題を各機関に持ち帰ってもらい次回の検討会で報告する形で検討会を重ねた。
島づくり委員会事務局はこの検討会のコーディネートの役割を果たした。
第5回の検討会では実験運行報告書が出され、「土庄町が小豆島バス(株)に委託しているスクールバス事業の事業外を利用して路線バス運行を考えること」「島内廃食油回収の実験を島づくり委員会で行い,場合によっては土庄町の協力を求めること」「島民有志によって菜種栽培,搾油を実験的に行うこと」が確認された。
活動の歴史
■「豊島 菜の花バスプロジェクト」検討会
■菜種まき・菜種栽培(島民有志)
「りんご坂の菜の花畑」
2002年11月 休耕地(約80a)の草刈をし、耕し、菜種を播種し、栽培
2003年11月 菜種から搾油 「りんご坂の菜種油」
2003年12月 再び菜種を播種
2004年12月 休耕地の草刈り
■島内地区別懇談会
- 2003年1月13日~1月23日 島内6地区で地区別懇談会を実施「菜の花バスプロジェクト」の説明,利用時間,料金,廃食油回収について島民の意見調査
■「今なぜ島でエネルギーなのか」拡大勉強会
- 2003年1月26日「今なぜ島でエネルギーなのか」拡大勉強会の開催エネルギー自給と再生可能エネルギーの開発で島の自立に挑戦しているデンマークサムソ島から講師を招き,再生可能エネルギーの取り組みや島の自立について学んだ。
- 1月26日におおさか市民ネットワークより市民共同発電所建設の提案があった。
太陽光パネルで発電し,そのエネルギーで精製プラントを動かすことが出来ないかを 検討。また、精製プラントは環境学習モデルプラントを構想。
■島内実態調査
- 島内福祉バス利用者の実態調査を実施
2003年度活動結果(実績)
- 2003年 3月 島民有志で、島内の休耕地に菜種を蒔いていたものが開花。
- 2003年 6月 島民有志と近県の大学生と協力し合い、菜種の収穫。
- 2003年11月 収穫した菜種の搾油。「りんご坂の菜種油」と命名し、お世話になって いる方におわけした。
- 2003年11月 豊島の支援団体の協力により、1996年から秋に開催している「豊島・秋 の集会」を開催。「りんご坂の菜種油」を使ったてんぷら等を参加者にふるまった。
- 2003年12月 再び、休耕地に菜種を播種。
今後の計画
- 現在、島内の活動は休止中
活動の課題
- 長年(今年で30年目),大量の不法投棄産廃問題に向き合いつづけてきた我が島であ るが、その傷つけられてきた「豊かな島―豊島―」を再構築するために、現在も島民独 自の様々な取り組みを行っている。
- 自分の生業以外で、普段の活動を継続させるだけでも、大変な住民の努力を必要とする。
そのために、新たな取り組みを進めることが困難といなっているが,決して島内に公共交通機関を走らせる夢を忘れたわけではない。
過疎の島、若い担い手の不足等、様々な課題があるが、それでも、「豊かな島―豊島 ―」の再構築に向けて、一歩一歩、着実に取り組みを続けていきたい。