36.静岡県立磐田農業高等学校

最終更新日 2010-1-30

住所 〒438-8718  静岡県磐田市中泉168
TEL 0538-32-2161
FAX 0538-32-6691
URL http://www.shizuoka-c.ed.jp/iwata-ah/
E-mail
担当者 農場長 那須野弘敏 教諭
機関紙
会員数 生徒数607名(平成21年度)

活動の概要

菜の花エコプロジェクト:

【目的】

地球規模の環境問題を考えるとき、Think Globaly Act locally の考え方に立ち、次世代を担う高校生を資源循環型社会の構築のためのオピニオンリーダーとして養成する必要がある。そのため下記の目標を設定する。

1.次世代を担う若者の実践教育の場として、資源循環システムの意義について理解を深めるとともに自主的に取り組む実践力を養う。

2.農業の多面的機能な理解を図るとともに、農業を新たなエネルギー資源産業として農業の再生への活力としての人材を育成する。

3.地域のエネルギー・環境教育のセンターとして、小学校をはじめ中学校・高校の環境教育・総合学習の場として活用する。

4.周辺市町村と連携し、給食センターへのナタネ油の提供による安全な食への理解や廃食油からのBDF化によるエネルギー再利用・再活用を行い研究する。

5.菜の花を通じて景観の美化を図り、各種イベントを企画することで、地域の情操教育の場として、また、地域の観光資源としての活用を考える。

【方法】

(1))対 象……
1年生 全学科生徒による共通学習(農業科学基礎、家庭基礎)
2年生 総合的な学習の時間「i-プロジェクト」各学科内の専門科目で関係する単元にて学習
3年生 総合的な学習の時間「i-プロジェクト」各学科内の専門科目で関係する単元にて学習

(2)場所・栽培規模……
静岡県立磐田農業高等学校・天竜農場( 磐田郡竜洋町駒場 )
栽培面積 4ha(21年度)  平成14年度40a からスタート

(3)栽培方法……
品種:東北91号(ナナシキブ) および キザキノナタネ

(4)学習の内容……
1. 環境問題とエネルギー問題の現況

2. 菜の花栽培実習

3.エネルギー循環を考える

(5)学習項目……
1.環境問題とエネルギー問題の現況

2.菜の花栽培実習

3.エネルギー循環を考える

4.菜種の搾汁実験実習

5.食用油のBDF化実験と活用

6.堆肥化プロジェクト

7.飼料化プロジェクト

8.肥料化プロジェクト

9.BDF燃料を使用したデモンストレーション


1. 自主事業
テーマ:農業はエネルギー資源産業

▼実践のねらい

1)資源循環システムの意義を理解し、環境改善のため自主的に取り組む能力を身につける。

2)農業の多面的機能を理解し、エネルギーとしてバイオマスを考える視点を身につける。

3)菜種油をBDFとして変換し、エネルギー利用の方法の理解と技術の取得を図る。

4)小学校と連携して県境・エネルギー教育のサブリーダーを養成する。

5)BDF化を図る技術を習得すると共に、活用を図る能力を身につける。

6)農業生産物のエネルギー化を図る技術を理解させ、積極的に利用を図る能力を身につける。

▼重点内容
1)地球環境の問題とエネルギーの現況

2)バイオマスの利用・活用の必要性とエネルギー循環

3)菜の花栽培と管理

4)BDFの生成と利用

5)菜種油の多目的利用と活用実験

6)バイオマスの利用・活用実験

7)農業生産物の堆肥化、飼料化、肥料化、エネルギー化の試み

8)地球の環境美化、景観作物としての高化効果を考える。

活動の歴史

  • 2002年 4月 静岡県菜の花資源循環システム研究会発
  • 2002年 5月  第2回研究会
    • 菜の花、菜種栽培の現状と経済生成の評価
    • 食用油製造の現状と国産菜種の将来展望
    • 食用油回収にかかわる法制度
    • 軽油代替燃料と油取引税
  • 2002年 7月 先進地域視察 第3回研究会
    • 先進事例調査結果の報告
  • 2002年 8月 第4回研究会
  • 2002年 9月 第5回研究会
    • 菜の花資源循環システムシンポジウム
    • エネルギー実践校申込み・菜の花栽培スタート
  • 2002年10月 第6回研究会 エネルギー実践校決定
  • 2002年11月 菜の花資源循環システム地域協議会
  • 2003年 2月 小学校連携事業
  • 2004年10月  地球温暖化防止活動環境大臣賞受賞
  • 2005年    全国植樹祭学校林部門準特選(国土緑化推進機構会長賞)
  • 2007年    全国花のまちづくり農林水産大臣賞受賞
  • 2008年    全国花いっぱい運動内閣総理大臣賞受賞、地球温暖化防止活動外務大臣賞
  • 2009年    読売教育賞受賞

現在の活動

実施スケジュール【内容/方法/ 実施時期 等 】

4月
1.菜の花エコスクール・プロジェクトの意義とシステムの概要 [座学講義]
2.菜種栽培研究を試作研究の生育調査「実験実習]
WS5000095月
3.栽培管理方法の検討と16年度栽培計画の立案
1)菜種の種類による栽培上の特性の検討「実験実習」
2)機械化、省力化の可能性の検討「菜の花学会参加」
WS500010 WS5000116月
4.搾油「実験実習」
WS500015 WS500016

WS5000177月
5.農業の多面的機能の理解と農業の再生への技術「菜の花学会参加」
6.小学生へ環境教育を行うサブリーダとしての活動「実験実習」
7.エネルギー問題と生命産業の面からのアプローチ「実験実習」
8.堆肥化を図る技術「実験実習」
9.飼料化を図る技術「実験実習」
10.肥料化を図る技術「菜の花学会参加」

9月
9.飼料化を図る技術「実験実習」
10.肥料化を図る技術「菜の花学会参加」
11.BDF化を図る技術「実験実習」

WS50001210月
12.菜種栽培研究・実験圃場の整備、準備「座学講義」
1)圃場の耕運整地
2)元肥施用「座学講義」
3)圃場区画の整備、除草、薬散など「実験実習」

11月
13.菜種の栽培作業・播種作業「実験実習」
1) ばらまきによる播種「実験実習」
2)すじまきによる播種「座学講義」
3)点まきによる播種「実験実習」
14.菜種の栽培作業・定植作業「実験実習」
1) プラグトレイによる苗管理「実験実習」
2)畝たてと定植「実験自習」

WS50001312月
15.菜種の栽培作業・間引き、除草、薬散作業「座学講義」
16.地球環境の問題とエネルギー問題の現況「実験実習」
1)地球規模の環境問題「座学講義」
2)地球の温暖化の防止に向けて「実験実習」
3)循環社会の形成に向けて「座学講義」

WS5000181月
1)エネルギーとは何か「座学講義」
2)エネルギーの消費と環境問題「座学講義」
17.菜種の栽培業作業・追肥「座学講義」
18.アイオマス利用と活用「実験実習」
1)農村、山村、漁村に豊富に存在するバイオマス
2)バイオマスの利用方法「座学講義」

WS5000192月
19.菜種の利用と活用「実験実習」
1)菜種油からBDF「実験実習」
コムギ・トウモロコシ等からバイオ燃料
2)景観作物としての利用「実験実習」
3)安全な食、本当の味「実験実習」
4)廃食油の利用…BDF、石鹸「実験実習」
20.小学校との連携事業「座学講義」
菜の花環境システムと私たちの生活「実験実習;」

WS5000203月
1)菜種からBDF「実験実習」
2)BDFを用いたトラクター走行実験「実験実習」
3)廃食油から石鹸づくり「実験実習」
4)本物の味
21.菜種栽培作業(追肥、除草、薬散)
WS500014


助成金については なし。


 

今後の計画

地域の資源循環システムモデルとして、県と連携した環境教育を推進する。

活動の課題・その他

  • 菜種栽培を広げるための経済性の確立
  • 菜種栽培のみならず搾油、BDFシステムを持つ拠点づくり
  • 環境教育の面から高校生による小中学生へのアプローチ強化
  • 行政からの環境教育(菜の花プロジェクト)への施設資金助成
  • 環境教育関連施設との連携の強化
  • 給食事業に菜種油の提供が可能になるよう行政面での支援

WS500032

農業高校は、菜の花プロジェクトのモデルとして最適ではないかと考えます。 多くの高校でこの事業が拡がることを期待しています。