菜の花プロジェクトネットワークとは?

菜の花プロジェクトネットワークが誕生するまでの話です。

▼はじまりは廃食油回収

 琵琶湖の赤潮が深刻化した86年に、琵琶湖を汚す原因になっている廃食油を回収して石けんをつくるという「廃食油のリサイクル」運動が滋賀県で始まり、滋賀県下各地に廃食油の回収拠点が広がりました。

 しかし、回収した廃食油の量が増大するにしたがって、廃油の新しいリサイクルの仕組みをつくりあげる必要性が生まれてきました。そんな中でドイツでの「菜種油プログラム」に出会いました。

▼ドイツのナタネ油プログラムとの出会い

 ドイツでは70年代に世界を襲った石油危機を教訓として、資源枯渇が考えられる化石燃料に頼らない、しかも温室効果の高いCO2を抑える化石代替エネルギーとして、菜種油の燃料化計画を強力に進めています。

 98年に(環境生協が)ドイツを訪問したときには、菜種の作付け面積は100万ヘクタールにも及び、菜種油から精製した燃料をおくガソリンスタンドが、全国に800カ所も設置されていました。

▼菜の花エコプロジェクト

 従来の廃食油の回収・リサイクル事業が、この「菜の花エコプロジェクト」によって、さらなる広がりを見せるようになりました。

 転作田に菜の花を植え、なたねを収穫し、搾油してなたね油に。そのなたね油は料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使う。廃食油は回収し、石けんや軽油代替燃料にリサイクルする。という一連の循環サイクルが定着しつつあります。さらに、養蜂との連携、菜の花の観光利用など、地域内のより広く深い資源循環サイクルへの展望が開かれています。

 そう、ドイツの取り組みに触発され、これまでの私たち(環境生協)の取り組みを踏まえて提案しているのが「菜の花プロジェクト」なのです。そして、その試みは滋賀県から始まり、日本国内のいくつもの自治体に広がっています。

 「資源循環型社会」「地域自立のエネルギー」のモデルの基礎ができたところです。いよいよ、転作田全体へ展開するために、国を含めての政策検討に取りかからねばなりません。

 石油に大きく依存するわが国でもいつまでも化石燃料に頼ってはいられません。COP3で合意された温暖化ガスの削減のためにも、脱化石燃料のしくみを戦略化させ、実行に移す必要があります。事故や故障が相次ぐ原子力は、その切り札になりうるでしょうか?私たちは菜の花から生まれるバイオ・フューエル(BF)に、脱化石代替燃料としての可能性を感じます。

▼そしてネットワーク作りへ

 平成13(2001)年4月28日、滋賀県新旭町で、全国で「菜の花プロジェクト」を実践している人、関心のある人に呼び掛け「菜の花サミット」が開催されました。

 サミットに参加したのは、主催者の予想を大きく上回る27府県・500人を超す人々。

 サミットは、基調報告、基調講演、全国各地からのリレートークが行われ、締めくくりに「菜の花サミット宣言」が採択されました。【→宣言文】

 プログラム1により、「菜の花プロジェクトネットワーク」が設立され、プログラム2のサミットの定期開催は、次回が青森県横浜町、第3回目は広島県大朝町で行うことが決まりました。

 また、プログラム3に基づき、「菜の花議員連盟」が立ち上がり、国や都道府県に「軽油代替燃料は非課税扱いする要望活動を行う」ことも合意されました。

こうして菜の花プロジェクトネットワークが誕生しました。

そして菜の花プロジェクトネットワークは...

 市民イニシアティブに基づいた産・官・学・民のパートナーシップにより、菜の花を中心とした資源循環型社会の具体的な地域モデルづくりを推進し、地域自立の循環型社会形成の推進を図ります。本部は滋賀県安土町にあります。

 目的達成に向けて、バイオマスエネルギーについての国内外の情報交換、資源循環型社会に向けての調査研究、中央政府への政策提言活動、全国にある菜の花プロジェクト関連の個人・団体のネットワーク形成などを行っています。

 菜の花プロジェクトのしくみ